星猫の森図書館

図書館が大好きです。

日曜夜10時の図書館だより④

こんばんは。 8月最後の日曜日ですね。 図書館職員としては怒涛のように忙しく毎日のようにイベントづくしで、そして灼熱の移動図書館業務だった夏がようやくひと段落することにほっとしたりしています。

もうすぐ夏休みが終わり、新しい学期がはじまりますね。その昔、「死にたくなったら図書館においで」というツイートが話題を呼びましたが、図書館という場所の持つ優しさを毎年のことながら考えます。 上記の言葉はつらくてしんどくて、学校に行きたくなければ図書館に来たらいいよ、という趣旨の言葉なのですが、図書館は本当に優しい場所だなと図書館旅をしてあらためて感じました。 カフェは飲食をするための場所です。書店は本を買うための場所です。でも図書館は、本を借りなくたって行っていいんです。本を借りる人も読む人も、本に出会いにいく私のような旅人も、なにかおもしろいことないかな、と探しにいく人さえ、図書館は受け入れます。ぎふメディアコスモスで居心地の良い椅子に座って掲示を眺めていて心を打った言葉があります。「図書館は屋根のある公園」という言葉です。公園、そう、空調の効いた公園であり、リビングのようにくつろげる場所、なんです。私にとっての図書館というのは。 だから、今いる場所今行くべき場所がしんどくて苦しかったら、そこから抜け出して図書館に来て、椅子に座ってぼんやり時間を過ごしていいんです。そうするうちに、気になる背表紙があったりして、新しい知識と出会ったりしたら、強張った世界が少しでもほころんで、肩の力が抜ける。そんな風に図書館が役立てたらいいな、と思います。 そういう図書館が、在ってほしいなと願います。

●今週読んだ本 『さみしい夜にはペンを持て』古賀 史健(著・文・その他)ならの(イラスト) 発行:ポプラ社 291ページ 価格 1,500円+税 ISBN978-4-591-17854-6
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784591178546

「「他人」に伝わる文章ではなく「自分」を知るための文章を書く。」ための物語。ちょうど書くということについて考えていた時に出会ったから、より心に響いたのかもしれない。 自分を知るために書く。書くことで、心を紐解いていく。自分でも気づいていなかった心のひだに気づく。そういう、言葉を書くということ。 主人公のタコジローがメンター的おじさんに導かれていく物語を読み進めるうちに、書くという手段を学んでいく。そういう本です。

私が文章を書く理由は、結局のところ自分を知りたいというところに落ち着くのではないかと思います。 ブログを今更はじめるにあたって、いろいろ学びました。読まれるものを書く必要性とか、収益化を目指すにはとか、商品を購入してもらうにはとか。でもそういう考えだと文章が書けなくなりました。私には向いていなかったのだと思いました。 向いている形がどこかにはあるのかもしれません。だけど私が今、書く理由は、自分のために、自分が考えたことを言葉にして、インターネットの片隅に、私の生きた証として残しておきたいという、ただそれだけの欲求に従って書いています。いや。究極的には、残すことは目的ではないのかもしれません。 ただ他人の目がある環境で、少なくとも他人が読むに足るかもしれないクオリティのものを、しめきりまでに毎週書き上げる。それが本当のところの私がこのお便りを書く理由なのだろうかと、思いました。

さて、だらだら書いているうちにお時間のようです。それではまた来週。

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